味方を増やす「口説き」の技術―相手を説得する戦略的プロセス:G・リチャード・シェル、マリオ・ムーサ著

こんにちは、はらいかわてつやです。

どんなに斬新で魅力的なアイディアも、周りの人に理解してもらえなければ役に立ちませんよね。
自分が良いと思う商品を売り込んでいく、相手に自分の考えを受け入れてもらう、という時に必要になるのが、「口説きの技術」です。
その口説きの技術をあますところなく公開した1冊のビジネス書があります。
本書があれば、話下手の人でも相手を味方につけることができるようになるでしょう。

◆『味方を増やす「口説き」の技術―相手を説得する戦略的プロセス』とは?
本書は、10カ国で翻訳された世界的な名著です。知る人ぞ知る説得のノウハウ本が日本語版になりました。
口説きの技術というものは、上手な人は教わらなくてもできますが、本書によって科学的な根拠にもとづいて誰でも実践できるようになったと言えます。

著者の一人、G・リチャード・シェル氏は、ペンシルベニア・ビジネススクールの教授で、著書に『無理せずに勝てる交渉術』があります。ウォートン・エグゼクティブ・ネゴシエーション・ワークショップを設立・主宰しています。
もう一人の著者、マリオ・ムーサは、同ワークショップで、組織変革の講座を担当しています。同ワークショップの研究所であったコンサルティング会社のネゴシエーション実践グループ長でもあります。
どちらも、ビジネス上の交渉事に関してエキスパートということですね。

◆ビジネスで発生する交渉問題
ビジネス上の交渉問題には、買収案件、ベンダーへの値下げ要求、顧客への値上げ要求などがあるでしょう。
でも、著者たちがアンケートをとってみると、半数近い人が意外な問題を挙げたそうです。
いくつか例を挙げてみましょう。
・すぐれたチームを解体し、ほかのチームを底上げしようとする社長に、計画をやめさせたい。
・成果を上げるために予算をとりたい。
・良い関係を壊さずにプログラム案を売り込みたい。

このような悩みは、対外的なものではなく、社内の人々を説得するものです。対外的な説得には「説き伏せる」方法が使えますが、身近な人たちには向かないでしょう。その代わり、相手を味方につけて「口説く」方法が有効になります。

◆相手を説得する秘訣は交渉スキルではない?!
では、相手を説得し、動かすために必要なことは何でしょうか?
一般的には、交渉スキルと呼ばれるようなとくべつな用語や戦術が思い浮かぶかもしれません。
でも、本書では、交渉スキルは説得のプロセスのすべてではなく、最大部分でもないと指摘します。
著者は、「口説き」プロセスには4つのステップがあると考えています。

(1)状況を把握する
初めに、自分自身、自分の持つアイデア、目標、所属組織が持つ課題を見極めます。

(2)5つの壁と向き合う
相手の信念を理解し尊重しつつ、相手が理解しやすい言葉で語りかけ、信頼を得ます。

(3)プレゼン
実際に相手と対面して説得するのがこのステップです。PCANモデルのプレゼン法のほか、アイデアを印象づけるルールが示され、実践的にすぐに活かせる内容になっています。

(4)コミットメント(確約)をとりつける
プレゼンで理解された後、本当の確約をとるために何をしたら良いのか、口説きの仕上げとも言える段階です。

◆自己診断テストで自分を知りましょう
まず自分を知る、というスタンスは、説得力を説いたほかの啓発書にはあまりみられない視点です。
本書では、付録に「説得モード自己診断テスト」と「説得スタイル自己診断テスト」および「口説きワークシート」が用意されています。

☆6つの説得モード
権限、理性、ビジョン、人間関係、利益、政治

☆5つの説得スタイル
突撃隊長、指揮官、宣伝マン、棋士、弁護士

以上のモードやスタイルのどれが自分に合っているかを知ると、効果的な口説きの方法が身につけられます。
本書が手元にあれば、自分を知り、相手を味方につける技術が無理なく身につくでしょう。
ビジネスにはもちろん、就職やグループでの活動など幅広く役立てることができる財産となるでしょう。

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はらいかわてつや