「週4時間」だけ働く』ティモシー・フェリス著

近年、急速に広まっている、インターネットを利用した自由なビジネス、ノマドを始めたいと思っている人は、少ない時間で仕事を済ませ、趣味に時間を費やす大先輩の手法を学ぶのが手っ取り早いでしょう。アメリカの先駆者の言葉は、要点を押さえた助言でメンタルを強化し、実践的な手法も教えてくれます。

◆少ない時間で十分な収入を得るには―『「週4時間」だけ働く』
きわめて少ない時間で効率よく仕事を済ませ、かつ十分な収入を得る、というのは不可能なのでしょうか?
いえ、信頼できる手引書を手元に置いて、正しい方法で実践すれば、夢のような話ではないのです。

具体的には、ティモシー・フェリスの『「週4時間」だけ働く』に記されています。
本書では、著者自身の経験をふまえ、割り切った仕事の仕方が細かく書かれています。

たとえば、Eメールをチェックするのは、1日2回だけ。大切な仕事にだけ集中し、ほかはすべて無視すること。「明日やろう」ではなく、どんなに小さくてもいいからすぐに最初の一歩を踏み出すこと。
週4時間働く内容は、メールチェックと指示を出すこと。ここまで仕事を減らせたら、たしかに人生は楽しめるでしょうね。

全体として、経営においては自分が関与する範囲をできるだけ小さく抑え、利益は最大限に高めようという手法で、究極のアウトソーシングとも言えます。
定年後を楽しみにするのではなく、今、楽しみながら収入も得るために、何をすればよいのかが詳しく説かれています。ケーススタディが豊富なので、仕事を減らしたいという人にとって、すぐに実践できるヒント集になっていますよ。

◆ニューリッチになるには
もう少し詳しく内容を見てみましょう。
著者は、働く人を「人生先送り派」と「ニューリッチ」に分け、ニューリッチの生き方を理想としています。ニューリッチの人は、今、楽しいことができる環境を作ります。
そういったニューリッチの人たちの行動パターンを、著者は10の特性として紹介しています。
・人生でもっとも活動的な20代、30代を楽しむために使う。
・関心と活力は循環するので、楽しむことで生産性が高まる。
・仕事量が少ないことは怠けではない。
・いつかやりたいと思っていることは今やろう。
・許可をもらうのではなく、許しを請うつもりで、まず実行する。
・弱点を直すよりも長所を伸ばそう。
・量、数、回数を求めすぎると足かせになる。
・お金にとらわれない解決策や楽しみ方を模索する。
・何時間働いていくら稼いだかを考える。
・悪いストレスは取り除き、幸福感につながる良いストレスを求める。

いかがでしょうか。
ニューリッチは、仕事を割り切り、人生を楽しむ方法を知っているようです。
真似ができれば最高ですが、はたしてどのような手順で取り組んでいけば良いのでしょうか。
それは、著者が答えを出していますね。
「いつやるの?」「今でしょ」の精神がここでも柱になるのです。

◆著者ティモシー・フェリス
著者ティモシー・フェリスは、アメリカの実業家、投資家、ビジネス書作家です。プリンストン大学卒業後、ベンチャー企業に就職し、その後、サプリメント販売会社を設立しました。
『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか』という本を出版し、アメリカでベストセラーになり、35か国語に翻訳されました。その後に出版された本書『「週4時間」だけ働く』も、各国語に翻訳され、世界中で読まれています。日本でも2011年の発売以来、ベストセラーの本です。

◆本書のメリットと注意点
ニューリッチになるための方法が、かなり大胆に書かれており、日本人は無理!と思われる内容も多々あります。でも、本書のメリットは、むしろメンタルにあると言えます。すべて実践するのは無理でも、仕事を減らす考え方については得るものが大きいでしょう。

また、本書は600頁もあって分厚く、1頁の活字の量も多くなっています。そのうえ、翻訳はこなれた日本語ではない部分もあるので、読みにくいという印象を持つ人もいます。

それでも本書が日本でも読まれ続けているのには、やはりほかの本では得られない、特別な内容が盛り込まれているからでしょう。
著者の発想は、しだいに日本でも受け入れられる状況になってきました。10年前はノマドと言っても知らない人が多かったと思いますが、現在では、ノマド的な仕事を実践する人は急激に増えています。
そう考えると、本書の無謀とも思える仕事の割り切り方も、大いに参考にできる社会に近づいていると言えますね。

ちょっと読みにくい、分厚いというのを覚悟して、ぜひ1度通読してみて下さい。
本書のあちこちに、あなたにとって役に立つ考え方、実践の方法が散りばめられているでしょう。手元に置いて、繰り返し読むうちに、あなたの働き方は自然に変わっていくはずです。
そして、定年後ではなく、人生を今から楽しむ生活に一歩近づいてみてはいかがでしょうか?

◆本書の章立て
本書は、週4時間だけ働くために必要な手順を4つのステップに分けて提示しています。
その4つとは、定義、捨てる、自動化、解放で、頭文字を取るとdeal(取引、商売)となりますね。
また、本書の本文中および巻末には、仕事に役立つツールが掲載されています。日本でも近年普及し始めたツールも含まれており、今後の活用が見込まれる、お役立ち情報でもあります。

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はじめに 知っておいてほしいこと

ステップ1 定義(Definition)の「D」
1章 警告と比較 一晩で100万ドル使い果たす方法
2章 ルールを変えるという「ルール」 大衆受けするものは、たいてい間違っている
3章 悲惨な結果をまぬがれる 恐怖に備える、停滞を避ける
4章 システムをリセットする 分別を持たない、曖昧にしない

ステップ2 捨てる(Elimination)の「E」
5章 時間管理の終焉 幻想とイタリア人
6章 低情報ダイエット あえて無知でいる方法
7章 割り込みを遮断する方法、そして拒絶のワザ

ステップ3 自動化(Automation)の「A」
8章 生活をアウトソーシングする 面倒くさいことを押し付ける、「地球取引」を試す
9章 収入のオートパイロット化I ミューズを見出す
10章 収入のオートパイロット化II ミューズをテストする
11章 収入のオートパイロット化III 不在経営(MBA―Management By Absence)

ステップ4 解放(Liberation)の「L」
12章 姿を消す オフィスから脱出する方法
13章 改善不可能 自分の仕事を「葬る」
14章 ミニリタイアメント 移動式ライフスタイルを謳歌する
15章 喪失感を埋める 仕事を減らしたあと、人生に加えるもの
16章 ニューリッチがやってしまう13の間違い
最終章 読んでおきたいEメール

おわりに 言い忘れていた、大事なこと
〔ベスト・オブ・ブログ〕
都合の悪いことは起きても放っておこう
私が愛するものと、コラム修正2008年、私が気に入ったものと学んだこと
手荷物10ポンド(4.5kg)以下で世界旅行する方法
最小選択式のライフスタイル 成果が大きく、落胆が少ない6つの公式
Not-To-Do リスト やめるべき9つの習慣
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ティム・フェリスの処理手続ルール
〔契約に基づいたリモートワークの提案書〕
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〔厳選された読書―けっこう大事なこと〕
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