山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル

山田昭男

あなたの社員は、仕事に喜んで取り組んでいるでしょうか。じつは気が進まず、仕方がないからやっているという人が多いのではないでしょうか?でも、本当に喜んで毎日の仕事ができれば、能率も上がり、有意義な毎日になるでしょう。社員の士気が上がらず経営に悩んでいるとしたら、仕事に対する考え方が180度変わる、この本を手にとってみて下さい。

『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』山田昭男著

『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』は、電気資材メーカー社長の山田昭男が発案した、会社での働き方をまとめた一冊です。

山田氏の経営方針は、徹底した効率化で生産性を高める方法です。ですが、決して画一的ではなく、社員の個性とやる気が発揮できる環境づくりがなされています。本書では、山田氏が残した87の言葉を紹介し、イラストを加えた構成となっています。

著者山田昭男の紹介

まずは、著者の山田昭男とはどんな人物なのでしょうか。
山田昭男氏(1931-2014)は、滋賀県の電気資材メーカー「未来工業」の創業者です。父親の経営する電線メーカーに就職しましたが、劇団の活動に熱心になるあまり、父親に勘当されたそうです。その後、「未来工業」を設立し、残業のない働き方、シェア8割を超える創意工夫のある商品の開発など、独自の経営方針で高収益を生む会社を実現しました。
ほかの著書として、『ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる』『日本一社員がしあわせな会社のヘンな〝きまり″』などもあります。

残業はしてくれるな、という発想

未来工業では、残業は禁止です。残業をしたいと訴えれば、著者は、その分の電気代を支払うように言ったそうです。また、もう1人雇うように提案したこともあるそうです。結局、どちらも行われず、残業なしで仕事が進められたとのこと。

著者は、給料が25%割り増しになる残業は、経営のためにならないと考えています。社員が1日8時間働いて利益が出る計算で経営が行われているのだから、残業すればするほど経営は悪化するという考え方です。そのため、未来工業では、16時45分には全員が退社する方針になっており、それが実行されています。

未来工業では、年間休暇が140日あり、一般企業より20日多くなっています。自由な社風なので、タイムカードもノルマもなく、育児休暇は3年です。

徹底した節約主義

コピー機が300人の社員に1台しかない、会議資料は配布せず事前に回覧しておく、席を外す時は机の蛍光灯を消す、人件費の節約で警備員を雇わない、など、非常識とも思われるような節約主義が実践されています。

これは、単なる節約ではありません。
社員が残業せずに仕事を効率的に進め、余計な費用をかけないようにすると、給料や福利厚生で社員に還元できるようになります。社員旅行はすべて会社持ちで数年おきに海外にも出かけているということですから、節約主義は、結局は社員のためになっているわけです。

ホウレンソウ禁止とは

未来工業では、「ホウレンソウ」が禁止になっています。ホウ=報告、レン=連絡、ソウ=相談、という意味です。つまり、一般的な会社では、念入りに行わなくてはならないはずの、同僚や上司との共通理解がかならずしもなくても良いというのです。

この、「ホウレンソウ禁止」というのは、信頼されるから仕事をがんばれる、という発想にもとづいています。その結果、会社のトップが知らない間に、新しい営業所が作られていたことがあったそうです。社員の自主性がいかんなく発揮され、必要なところに営業所が設置されたのに違いありません。現場が必要として社員が作った営業所であれば、その後も社員が進んで行う積極的な営業が展開されたことが想像できます。

また、著者は、誰に何のポストを与えても良いと考えていたそうです。それなりの立場を与えれば、誰でもそれなりの仕事をこなす、という発想です。定年も、普通の企業より長く、70歳となっており、給料は60歳から減額されることはありません。

このような考え方はすべて、社員を信頼し、手厚くサポートする体質と言えます。

経営者は知恵をしぼり、従業員が一生懸命働く

著者の考える理想的な会社の在り方は、経営者が知恵をしぼり、従業員が働きやすい環境を作ること、それに対して従業員は、経営者の意を感じて一生懸命働く、ということです。
残業をしなければ経営は黒字になり、社員に給料や福利厚生で還元できる、それにこたえて従業員は創意工夫を凝らして良い商品を作り、販売戦略を立てる、という流れができれば、経営は波に乗り、発展していけるでしょう。

現在の日本の多くの企業での働き方は、未来工業とは正反対になっています。著者は、最後まで、日本人は楽しく働くことをもっと本気で考えたほうが良いと警鐘を鳴らしていました。
どうすれば良くなるのかを「考え」続けて導き出された山田イズムが本書には詰め込まれています。ぜひ今後の経営方針に活かしてみて下さい。

本書の構成

本書の構成は、下記の通りです。目的に合わせてページをめくり、役立ててみて下さい。

第 I 部 仕事力編 仕事が速く楽しくなる
第1章 仕事の質を高める 14の言葉
第2章 仕事のスピードを上げる 12の言葉
第3章 考える力を磨く 16の言葉
第4章 実践する力を磨く 11の言葉

第 II 部 対人力編 人に強く、優しくなる
第5章 人を育てる 13の言葉
第6章 コミュニケーション力を磨く 9の言葉
第7章 社交力を磨く 12の言葉