おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本

おやすみ、ロジャー

『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』カール=ヨハン・エリーン(著)・三橋美穂(監訳)

子どもの寝かしつけに時間がかかって困る、という苦労はなくなるかもしれません。言葉が分かる子どもなら、この本を読みさえすれば10分で眠りに落ちるという、画期的な本があるのです。発売以来、世界中で読まれている本をご紹介しましょう。

『おやすみ、ロジャー』は心理学の本

『おやすみ、ロジャー』は、2010年に、スウェーデンの行動学者、カール=ヨハン・エリーン氏が出版した絵本です。当初は自費出版で、2014年に英訳されると、イギリスのAmazonでランキング1位を獲得しました。自費出版の本が1位になるというのは、Amazon始まって以来のことだったそうです。今後40ヶ国での翻訳が決定しています。

どうして子ども向けの絵本がまたたく間に国境を越えてベストセラーになったのでしょうか?
『おやすみ、ロジャー』は、ただの絵本ではないからです。行動科学の研究にもとづいた話法で書かれているため、魔法にかかったように子どもが眠りに落ちるという効果が得られる本なのです。

では、どんな仕組みで眠ることができるのか、詳しくみてみましょう。

『おやすみ、ロジャー』の眠る仕組みとは

本書は、読み方にたくさんの注意事項があります。
太字は強調して読む、色文字はゆっくり読む、「なまえ」には子どもの名前を当てはめる、「あくびをする」と指示があればしたがう、など。

この注意事項を守って読むと、1ページ読むにもけっこう時間がかかります。子どもの名前を当てはめて読むと、子どもの顔を見ながら読むことになりますし、あくびをするというのも本気でやるとそれなりに時間がかかりますよね。10分で眠るということになっていますが、10分で読み切らない人もいるのではないでしょうか。

文章は、「もうすぐ眠る」「かんたんに寝られる」「いますぐ眠る」などの言葉が繰り返しでてきます。全体にゆっくり静かに読むことで、眠りやすい雰囲気づくりもできます。

このような本書の特徴は、心理学的な法則にのっとっています。ポイントを2つ挙げてみましょう。

アファメーション効果
同じようなセリフを繰り返し言い聞かせる方法です。繰り返しの言葉が意識にはたらきかけ、自分がそうなっているかのような暗示を受けます。「眠る」「眠る」と繰り返し言われているうちに、本当に眠くなってしまうのですね。

自律訓練法
催眠術の一種で、副交感神経のはたらきを高めます。自己暗示をかけて緊張を解き、リラックス効果が得られ、眠りに誘われます。

『おやすみ、ロジャー』の効果~口コミで実証!

本書の効果は、発売直後からたくさんの口コミで実証されています。

本書は、比較的寝つきの良い子だと、最後まで読めません。本書は32ページありますが、10ページから14ページくらいで寝てしまう子どもが多いようです。10分持たない子どもが大勢います。

2回目からは飽きてしまうかと言うとそうでもないようです。子どもによってもその日のコンディションによっても違いますが、効果は1回目だけでなく、何度も繰り返し現れます。

寝つきがとても悪い子どもにも効き目はあります。もともと2時間以上寝なかった子どもが、40分ほどで寝られるようになったという声もあります。

また、不眠症の大人でも効き目があったという事例もあります。

ただし、お話があまりよく分からない小さい子には効き目が弱くなります。2歳で効果のある子どももいますが、3歳すぎのほうが効果が出やすくなっています。

以上のように、口コミでも眠りの効果は抜群です。
お子さんがどうしても寝なくて困っているというご家庭には、ぜひ1冊用意して、読み聞かせてみて下さい。あっという間に夢の世界へ入って行けるでしょう。

『おやすみ、ロジャー』の著者と訳者

著者は、行動科学者のカール=ヨハン・エリーン氏です。行動科学とは、心理学や社会学、人類学などを含む分野で、人間の行動を実証的に研究し、法則性を明らかにしていく研究分野です。著者は、スウェーデンの大学でコミュニケーション学を教えている講師です。

訳者は、睡眠のスペシャリストで快眠セラピストの三橋美穂さんです。寝具メーカーで研究開発に携わった後、講演や個人相談、ベッドメーカーのコンサルティング、快眠グッズのプロデュースなどを行っています。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』があります。

『おやすみ、ロジャー』のあらすじ

『おやすみ、ロジャー』は、うさぎの男の子が眠るために小さな旅をするお話です。ネタバレありですので、ご注意ください。

うさぎのロジャーは、いつも遊ぶことを考えていて、夜は眠れず、昼間居眠りしてしまうことがある男の子でした。
この夜も、ほかの兄弟は眠ってしまったのに、ロジャーだけ眠れません。ロジャーはお母さんに相談しました。
お母さんは、「考え事は箱の中にしまうと良い」と教えてくれました。そして、寝る準備ができたロジャーは、魔法使いのあくびおじさんのところ行くことにしました。
途中で、ロジャーはかたつむりに会いました。かたつむりは、「ゆっくり動くと眠くなるよ」と教えてくれました。
ふくろうにも会いました。ふくろうは、「体を楽にすると眠れるよ」と教えてくれました。
あくびおじさんの家に着くと、眠くなる薬をかけ、じゅもんを唱えてくれました。
帰り道、ロジャーは、フクロウに会いました。「とってもくたくたで眠そうだね」と言われました。かたつむりにも会いました。
おうちに着くと、もうくたくたでした。お母さんがロジャーを寝かせてくれました。