『トライブ 人を動かす5つの原則』デイヴ・ローガン、ジョン・キング、ハリー・フィッシャー=ライト(著)

こんにちは、はらいかわてつやです。

職場が変わっても同じような人間関係に悩む、という話はよく聞きます。その問題の原因は、職場内の人々の意識にあることに注目し、長年の調査の結果、すべての人々に当てはまる分類法を発見し、その理論を公開した本があります。今回ご紹介する本は、職場を「部族(トライブ)」に当てはめた新しい理論による本です。

◆『トライブ 人を動かす5つの原則』の概要
著者のデイヴ・ローガンは、10年におよぶ2万4千人の追跡調査にもとづき、トライブ理論を完成させました。デイヴ・ローガンとともに、カリフォルニア大学で管理者教育について教鞭をとっているジョン・キング、医師でありながら経営管理の専門家でもあるハリー・フィッシャー=ライトが共著者です。

「トライブ」とは、英語で「部族」のことを指します。種族とも言い換えられるでしょう。
本書では、職場環境を「トライブ」に当てはめ、人々の行動や心理状況を分析します。働く意識に注目し、組織内の人々を5つの段階に分類しますが、上位の人は進んで仕事を行い、下位の人は不満ばかりで十分に与えられた仕事をこなさない、という構図があると考えます。そこで、下位の人を上位の意識に変えることができれば、仕事の能率も上がるというわけです。

本書を読めば、自分が上位に上がり、仕事ができるようになるだけでなく、不満ばかりの部下の心理状態も把握できるので、部下を育てることも、円滑に仕事を進めることもできるようになるでしょう。

◆10年間の研究成果である「トライブ」理論
では、「トライブ」理論を詳しく見ていきましょう。
本書では、部下が思うように働かない理由を、上司のリーダーシップはほとんど関係がなく、人事制度や採用試験も原因ではなく、組織の中のトライブの問題であると考えます。

著者は、トライブを5つの段階に分けています。
・第1段階の人々は、「絶望的な敵意」を持った姿勢で、「人生は最低だ」と思っています。
・第2段階の人々は、「無気力な犠牲者」の姿勢で、「私の人生は最低だ」と思っています。
・第3段階の人々は、「孤独な戦士」の姿勢で、「私は素晴らしい。が、あなたはだめだ」と思っています。
・第4段階の人々は、「トライブの誇り」の姿勢で、「私たちは素晴らしい。が、あなた達はだめだ」と思っています。
・第5段階の人々は、「純粋な好奇心」を持った姿勢で、「人生は素晴らしい」と思っています。

このような考えにもとづき、トライブの理論で組織の人々を分析し、トライブのステージを上がり、組織の中でのリーダーシップを確立し、それを維持し、組織のトップとなる方法を順に丁寧に解説していきます。

・第1部 トライバル・リーダーシップとは
第1章~第3章では、導入として、トライブの考え方とリーダーのあり方、トライブの見つけ方を紹介しています。
・第2部 リーダーとしての道のり:他者を導いてステージを上がる
第4章~第8章では、第1段階から第4段階の人々の特徴とレベルアップの方法が説明されています。
・第3部 族長としてのリーダーシップを確立する:第4段階の定着
第9章~第11章では、第4段階での価値観、ネットワークなど、第4段階に安定してとどまるための注意点が丁寧に説かれます。
・第4部 活力ある企業体を目指して(第5段階)
第12章では、第5段階にステップアップしていく過程が説明され、トライブの長老の出現やビジネスの将来像など、応用的な分野にも目配りがされています。

本書を読んだ人たちからは、転職しても同じ状況に遭遇した理由がわかった、部下の理不尽な態度の理由がわかった、など、それまでのおかしな状況の背景が理解できたという声が多く寄せられています。もちろん、周りの人たちのトライブの段階を簡単に発見することができるようになります。

本書を読めば、自分を高めることはもちろん、周囲の状況を理解し、自分の進むべき方向も見えてくるでしょう。円滑に仕事を進め、自分を高めたい人、部下を育てたい人にはぜひ読んでほしい1冊です。
この本の詳細を見る


はらいかわてつや